• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

植物概日時計の分子実体の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18780070
研究機関名古屋大学

研究代表者

山篠 貴史  名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 助手 (00314005)

キーワードシロイヌナズナ / 概日時計 / 疑似レスポンスレギュレーター因子 / 光周性 / 光感受性 / 遺伝子発現制御
研究概要

高等植物における疑似レスポンスレギュレーター(PRR)因子群は概日時計機構を支える重要な機能を担っていると考えられている。シロイヌナズナのPRR遺伝子ファミリーは概日時計中心振動体候補遺伝子であるTOC1/PRR1を含む5つの遺伝子から構成されていることが知られている。今回我々はPRR7を構成的に発現する植物体を作製し、以前作製したPRR9,PRR5,PRR3,PRR1の各因子の構成的発現植物体と比較することにより機能解析を行った。その結果、今回新たに作成したPRR7の構成的発現植物体は(i)光周期非依存的な花成促進、(ii)光形態形成における赤色光超感受性、(iii)概日時計支配下にある遺伝子発現の自由継続リズムにおける周期の短縮という概日時計機構の異常に特徴的な表現型が観察された。以上の結果から、PRR因子群はそれぞれが特徴的な性質を保持し、協調しながら概日時計機構に密接に関連した働きをしていることが示唆された。
次に、PRR5の全長領域、N末端側に存在する疑似レシーバードメイン領域、C末端側に存在するCCTモチーフを含む領域を各々構成的に発現する植物体(PRR5-ox, PRR5-N-ox, PRR5-C-ox)などを作製し、これらを用いて詳細な機能解析を行った。その結果、PRR5の構成的発現体が示す赤色光高感受性形質は赤色光受容体であるPhyAとPhyBに依存するがPRR1/TOC1には依存しないこと、また、疑似レシーバードメインは欠質可能であることが示唆された。ところが、疑似レシーバードメインを構成的に発現させた植物体は概日時計支配下にある遺伝子発現の自由継続リズムに関しては長周期の表現型が観察された。これらのことからPRR因子の各ドメインが概日時計機構の調節に重要な機能を担っていることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Characterization of Circadian-Associated Pseudo-Response Regulators : I. Comparative Studies on a Series of Transgenic Lines Misexpressing Five Distinctive PRR Genes in Arabidopsis thaliana.2007

    • 著者名/発表者名
      Matsushika A, Murakami M, Ito S, Nakamichi N, Yamashino T, Mizuno T.
    • 雑誌名

      Biosci Biotechnol Biochem. 71

      ページ: 527-534

  • [雑誌論文] Characterization of Circadian-Associated Pseudo-Response Regulators : II. The Function of PRR5 and Its Molecular Dissection in Arabidopsis thaliana.2007

    • 著者名/発表者名
      Matsushika A, Kawamura M, Nakamura Y, Kato T, Murakami M, Yamashino T, Mizuno T.
    • 雑誌名

      Biosci Biotechnol Biochem. 71

      ページ: 535-544

  • [雑誌論文] AHK5 Histidine Kinase Regulates Root Elongation Through an ETR1-Dependent Abscisic Acid and Ethylene Signaling Pathway in Arabidopsis thaliana.2007

    • 著者名/発表者名
      Kato T, Murakami M, Nakamura Y, Ito S, Nakamichi N, Yamashino T, Mizuno T.
    • 雑誌名

      Biosci Biotechnol Biochem. 71

      ページ: 834-839

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi