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2006 年度 実績報告書

新たなビタミンDレセプターの高次機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18780093
研究機関東京大学

研究代表者

山本 陽子  東京大学, 分子細胞生物学研究所, リサーチフェロー (30376644)

キーワード栄養学 / 転写制御
研究概要

ビタミンDはカルシウム代謝調節、細胞の増殖抑制・分化促進等様々な生理作用を持つが、これらの生理作用は活性型ビタミンDである1α,25(OH)_2D_3がリガンド依存性転写調節因子であるビタミンD受容体(VDR)に結合し標的遺伝子の転写を制御することによって発揮される。VDR遺伝子欠損(VDRKO)マウスと活性型ビタミンD生合成の鍵酵素である1α水酸化酵素KOマウスの表現型は非常によく似ており、ともに成長障害、低カルシウム血症、骨形成不全等が観察されるが、VDRKOマウスでのみこれらの表現型に加え毛周期の停止による脱毛が観察される。このため皮膚においては、1α,25(OH)_2D_3非依存的なVDRの高次機能があると考えられる。そこで本研究では皮膚特異的VDRKOマウスおよび1α,25(OH)_2D_3のVDRへの結合依存的な転写促進領域(AF-2)の活性中心であるhelix12に変異を導入したマウスを作出し毛周期に着目し解析することにより、新たなVDR高次機能を解明したいと考える。
現在までにCre-loxPシステムによる皮膚特異的VDRKOマウスのほか、VDR AF-2領域変異ノックインマウスとしてVDRの転写共役活性化因子と相互作用せず、転写活性化能を有さないE420A/V421A/F422Aのトリプルアラニンミュータント(AAA)およびhelix12を全て欠損させたΔAF2ノックインマウスの作出に成功した。さらにこれらのマウスの解析をしたところ、AAAマウスおよびΔAF2マウスはともに成長障害、低カルシウム血症、骨形成不全といった表現型を示し、その程度はいずれもVDRKOマウスよりも重篤であった。しかしながらAAAマウスおよびΔAF2マウスはともに脱毛が観察されず1α,25(OH)_2D_3非依存的なVDRの高次機能が確かに皮膚には存在する事が強く示唆された。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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