前年度取得したLiDARデータの解析を行い、FP、LPデータの差分データから樹冠形の抽出を行った。対象区の樹冠形データから樹冠直径、樹冠表面積を算出し、広葉樹の樹冠形モデルの構築を試みたが、針葉樹における樹冠モデルとは違い、多様な樹種構成により単純なモデル化を行うことが困難であった。そのため、研究計画を変更し対象区を広げ、より多くパターン(樹種構成、林齢)のサンプルを追加することとし、LiDARの観測域、全域の広葉樹林についての資源量調査を実施した。 広葉樹資源量推定モデルについては前年の対象区のデータを使用して、FP、LPの差分データから林相単位でパラメータを抽出するアルゴリズムを検討した。このアルゴリズムにより一定の精度での推定が可能であることを確認した。次年度には拡張した対象区のデータも加えて解析することで、広葉樹の資源量推定についてはさらなる高精度化を目指す事が可能である。 樹種分類手法についてはデジタルオルソデータと高解像度衛星データを使用しオブジェクト分類により樹種分類を試みた。分類についてはスペクトルデータのバンド数不足やデジタルオルソの画質等の問題があり、実用に耐えうる分類精度を得ることが出来なかった。これについては次年度、組み合わせるデータ、手法を見直して分類精度の向上を目指す必要がある。
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