研究課題
本年度は、東京工業大学から東京農工大学への異動があり、硝酸酸素同位体比異常の測定は、現在新たな研究室で立ち上げている状況である。東工大で利用していた機器の一部が農工大では存在しないため、異なる手法での試料処理が必要であり、現在その手法の精度について確認中である。一方で、四重極質量分析計を用いた、微量硝酸のトレーサー測定については、現在予備測定が行える状況まで進展した。硝酸を15Nでラベルした硝酸を脱窒菌によって一酸化二窒素に変換することで、非常に容易に15N含有量を安価な四重極質量分析計で測定できることが判明しただけでなく、180でラベルした硝酸についても、m/z=46をモニターすることで測定が十分可能であることが判明した。これにより現在モデル土壌を用いて硝酸の15Nと180がどのように変化するか予備実験を行っている。しかし、現在国内で15Nと180の両方をラベルした硝酸について供給が滞っていることがネックになっている。そのため、重水と15Nでラベルされた亜硝酸を用いて、ラベルされた亜硝酸を作成することで対応することを検討している。また、硝酸の15N、180データを解析するためのシミュレーションを現在作成中である。シミュレーションに必要なパラメーターとしてもっとも不確実である亜硝酸と水との酸素原子交換速度については、現在室内実験で速度測定を行っており、このパラメーターを用いてシミュレーションをチューニングした上で、森林土壌での亜硝酸の消失についてH19年度初めに予備調査を行う予定である。
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Water, Air, & Soil Pollution 178
ページ: 145-156
水文・水資源学会誌 19
ページ: 293-301