| 研究概要 |
本研究は, 森林の齢級構成と成長量に墓ついた伐採計画を立案し, 将来の生産量を推定することにより, 森林バイオマスの長期的な利用計画手法を構築した。モデル地域を設定し, 地域の森林資源の分布状況や地形傾斜, 林道・一般道の配置を地理情報システム(GIS)を用いて整理することで, 地域の実状を反映した検討を行った。また, 収穫・輸送システムで稼動する機械の重量, 燃料消費料等のデータをもとに, 二酸化炭素排出量(CO_2)の算出モデルを作成し, 既存の化石資源を燃料とするプラントを森林バイオマスで代替した場合の, 地域におけるCO_2排出量の削減効果を算定する手法を構築した。
今年度はランダムサーチを用いた平準化手法をもとに, 数段階に設定した森林バイオマスの生産量と, 収穫・輸送コストの計算式を用い, 計画期間に対応した長期的な森林バイオマスの供給曲線(資源量とコストの関係を表したグラフ)を作成した。そして, 段階別に作成されたバイオマス供給曲線をもとに, モデル地域における森林バイオマス資源のエネルギー利用の可能性を経済面から議論した。
また, 森林バイオマス資源収穫・輸送システム別のCO_2排出量の計算式を, 毎年生産される森林バイオマス資源量に小班単位で適用することにより, バイオマス発電のCO_2排出原単位(発電量1 kWhあたりのCO_2排出量)を算出した。最後にモデル地域の電力消費に伴うCO_2排出量の計算結果をもとに, 地域の発電システムを森林バイオマス資源で代替した場合の, 毎年のCO_2排出量削減効果を提示した。
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