• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

セルロースI型結晶の変態機構

研究課題

研究課題/領域番号 18780131
研究機関東京大学

研究代表者

和田 昌久  東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (40270897)

キーワードセルロース / アンモニアセルロース / X線回折 / セルロースI / セルロースIII(I) / 結晶変態
研究概要

セルロースIを液体アンモニアで処理するとアンモニア分子をセルロースの結晶格子内に取り込んだアンモニアセルロースが形成される。そして、アンモニアセルロースからアンモニア分子を取り除くとセルロースIII(I)に変態することが知られている。アンモニアセルロースの存在はBarryらによって1936年に報告されているが、その後の研究が全く行われていないため、構造は明らかになっていなかった。そこで、セルロースIからIII(I)への変態機構の解明を目指し、中間構造であるアンモニアセルロースの構造を繊維X線回折法によって解析した。
アンモニアセルロースの単位格子は一本鎖の単斜晶、a=0.447nm, b=0.881nm, c=1.034nm,γ=92.7°、空間群P2_1であった。したがって、非対称単位にはグルコース残基1個とアンモニア分子1個が含まれている。また、隣接する分子鎖の繊維軸方向に沿った1/4cのずれ(stagger)が存在しない構造であり、ヒドロキシメチル基のコンフォメーションはgtであった。アンモニア分子が取り込まれているもののセルロースIII(I)と似た構造であることが分かった。一方、セルロースIにおいてはstaggerが存在し、ヒドロキシメチル基のコンフォメーションはtgである。したがって、アンモニア分子の取り込みによってセルロース分子鎖シートにtranslationが生じ、ヒドロキシメチル基がtgからgtへ回転することが分かった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] X-ray Structure of Ammonia-Cellulose I : New Insights into the Conversion of Cellulose I to Cellulose III_I2006

    • 著者名/発表者名
      M.Wada, Y.Nishiyama, L.Langan
    • 雑誌名

      Macromolecules 39

      ページ: 2947-2952

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi