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2007 年度 実績報告書

二枚貝殺滅渦鞭毛藻ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマの越冬形態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18780150
研究機関福井県立大学

研究代表者

吉田 天士  福井県立大学, 生物資源学部, 講師 (80305490)

キーワードHeterocapsa circularisquama / 赤潮 / モニタリング / PCNA / 定量的RT-PCR / 渦鞭毛藻 / 増殖マーカー / 有害プランクトン
研究概要

本研究では,二枚貝を特異的に殺滅する性質を持つ有害プランクトンHeterocapsa.circularisquamaの越冬メカニズムを解明することを目的としている。本種の越冬メカニズムを解明するにはそのモニタリング手法の開発が重要となる。近年,分子生物学的手法による本種モニタリングの導入も進められているが,いずれの手法も細胞の量的な情報しか読み取れず,増殖・衰退の過程など細胞の状態を測定する技術は皆無である。昨年度はDNA合成期に特異的に発現するProliferating Cell Nuclear Antigen(PCNA)のクローニングに成功した。そこで今年度は,これを増殖マーカーとした赤潮増殖診断法の開発を課題として設定した。
・H.circularisquama OA-1株におけるPCNA遺伝子およびmitochondrial cytochrome b(cob)を標的としたプライマーを作製し,real-time PCR法による両遺伝子転写の定量化法を確立した。
・H.circularisquama OA-1株を12.5℃および20℃下で培養し,直接計数法によって定期的に全細胞およびシストを計数し,増殖曲線の作製およびシスト形成率を算出した。その結果,20℃下では高い増殖速度で増殖するとともに,シスト形成率が減少した。一方,12.5℃下では増殖が抑制され,24日後にはシスト形成率が85%に達した。
・上記の培養に対してPCNA遺伝子の転写量をcobに対する相対値として算出した結果,20℃下におけるPCNA遺伝子の転写量の相対値は定常期と比較して対数増殖期に高い値を示した。一方,12.5℃下におけるPCNA遺伝子の転写量の相対値はほぼ一定であった。したがってH.circularisquamaにおいて,PCNA遺伝子の転写量の相対値は,休眠期細胞の指標とならないものの,栄養増殖する細胞に対して増殖マーカーとなりうることが示唆された。
今後,本種における種々の培養条件下でのPCNA遺伝子の発現様式を明らかにし,本種のモニタリング,特に越冬形態の解明に役立てたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] PCNA遺伝子を指標とした有害渦鞭毛藻Heterocapsa circularisquamaの増殖診断技術の開発に向けた基礎研究2007

    • 著者名/発表者名
      石井 翔太郎・吉田 天士, 他3名
    • 学会等名
      日本水産学会・平成19年度秋季大会
    • 発表場所
      北海道大学水産学部・函館
    • 年月日
      2007-09-26

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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