2008年度は、福島県会津坂下町において、学童期児童(日常生活を含めた子どもの食生活についての現状について)及びその保護者(家庭での食育やしつけの現状、保護者の食育に対する意識について)を対象として実施したアンケート調査から具体的な分析を試みた。 特に、子どもと食生活及び生活の関連についての結果を考察すると次の通りである。子どもの食生活と生活との関連については、食べることへの関心が薄い児童が増加している可能性が推察できた。また、児童の嗜好について、60メニューの5段階評価の結果からみると、予想通り、肉類を好み、野菜、魚介・海藻類、豆類を素材とするメニューや伝統食については、嗜好の度合いが全体平均よりも低く、これらの食材を嫌う傾向にあった。伝統料理については食べたことがないとする児童もかなり多く、伝統料理や味の継承について懸念されるという結果であった。 また、生活と食生活との関連で、特に注目すべき点は、家庭での食育を考えた場合、家事手伝いや、それを通して調理に関わることは重要な教育であると考えられるが、調理の手伝いによく関わる児童は、偏食の度合いが小さい及び出された食事をだいたい全部食べるとする児童の割合が高かった。それと関連して、偏食等の少ない児童は、毎日が楽しい、勉強が楽しいとする割合が高く、毎日が楽しいとする児童は勉強も楽しいとする割合も高かった。以上の結果から、食生活の充実が毎日や勉強の充実と関係性が強いことが示唆された。
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