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2006 年度 実績報告書

勾配磁界による冠水根系への酸素誘導による植物発育の促進

研究課題

研究課題/領域番号 18780192
研究機関島根大学

研究代表者

谷野 章  島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (70292670)

キーワード化学物理 / 磁性 / 農業工学 / 園芸学 / 植物
研究概要

永久磁石近傍の勾配磁界によって常磁性酸素分子に作用する磁気力を利用して,溶存酸素濃度の制御を行うための以下の研究を実施した.なお,研究計画調書作成段階ですでに実験を開始しており,交付期間内では,実験結果の再検証,解析,さらに次年度の植物を用いた実験のための装置試作を実施した.研究の手順は次の通りである.まず,永久磁石近傍の磁束密度を計測した.磁束密度の最大値は0.63T,磁束密度の大きさと勾配の積は44T^2/mであった.その永久磁石の上にアンモニア水が入った容器にを静置した.その容器の内側底面(溶液中)に銅の薄板を静置した.酸素,アンモニア水,銅の反応で生成されるテトラアンミン銅(II)錯体の濃度を分光光度計で測定した.次の3種類の実験を永久磁石がある場合と無い場合(コントロール)について行った.1)反応時間を0-360minと変化させて,テトラアンミン銅(II)錯体濃度を測定した.2)アンモニア水量(すなわちアンモニア水の水深)を10-40mlと変化させてテトラアンミン銅(II)錯体濃度を測定した.3)アンモニアの濃度を2.5-25%と変化させてテトラアンミン銅(II)錯体濃度を測定した.その結果,勾配磁界はテトラアンミン銅(II)錯体の生成量を有意に増加させた.溶液の深さが2mm以下の時には勾配磁界はテトラアンミン銅(II)錯体の生成量を際立って増加させた.解析的に求めた酸素分子に働く磁気力の空間分布はこの結果を説明した.以上の結果から,酸素分子に働く強い磁気力によって酸素,アンモニア水,銅の反応速度が加速されると結論した.以上の内容を一篇の論文として発表した.上の研究結果に基づき,次の段階として勾配磁界によって植物の根系へ酸素を誘導するための装置開発に着手した.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Control of chemical reaction involving dissolved oxygen using magnetic field gradient2006

    • 著者名/発表者名
      Aoyagi et al.
    • 雑誌名

      Chemical Physics 331・1

      ページ: 137-141

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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