研究概要 |
本年度当初の研究計画であった,1)屋外圃場での安定した作業者追跡手法の開発,ならびに,2)着色作業服を用いた作業者の姿勢検出手法の開発といった,知的作業支援を実現するために必要な要素技術の開発を行うとともに,得られた研究成果を基に,一つの知的作業支援システム「指先間距離自動計測による卓上作業支援システム」を製作し,学会研究発表にてデモンストレーションを行った. 1.屋外圃場での安定した作業者追跡手法の開発 屋外でも安定して作業者を識別できるように特別に製作した作業服を使って,15m四方の圃場を移動する一人の作業者をPanTiltZoom機能を有するカメラでリアルタイムに追跡できるシステムを開発した.複数の作業者を同時に識別しながら追跡する手法として,2台のモノクロプログレッシブスキャンカメラ,2台の近赤外線カメラの合計4台のモノクロカメラ問の関係を表すF行列から,個々の作業者の位置を検出するアルゴリズムを検討し,限られた条件の下ではあるが作業者の位置を正確に検出できる結果を得た. 2.カラー作業服を用いた作業者の姿勢検出手法の開発 作業者の姿勢を表現する色マーカの配色パターンを作業服の前面,側面,背面で塗り分けることにより,作業者のカメラに対する水平方向の姿勢角度を検出し,検出された一部のマーカのみを使って姿勢を表現するアルゴリズムを検討した.屈伸運動について,3段階に分けた姿勢角度の検出,ならびに一部マーカ欠落時でも姿勢が検出可能である結果を得た. 3.指先間距離自動計測による卓上作業支援システムの実機製作 特別に着色を施した作業グローブを装着した作業者の指先間の距離を,作業動作にあわせてリアルタイムに計測し,距離値ならびに計測個数計測ヒストグラムを作業者に常に提示する実機を製作した.
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