1.活性Gドメインの活性部位の合成ペプチドを用いて、培養角膜上皮の細胞遊走活性とその遊走機構の評価:ラミニンα1鎖LG4由来の活性ペプチドであるAG73の角膜上皮細胞に対する接着活性がヘパリン依存性なのを、インテグリンとの結合はEDTAとを用いて行い、ヘパリンとの結合活性はヘパリンの添加による阻害実験により確認した。そして、AG73ペプチドを30μg/mgの濃度で培養液に添加し金コロイドアッセイを行った。細胞遊走は角膜上皮化に必須の生理機能であることから、培養角膜上皮細胞遊走活性はボイデン・チャンバー法による評価とマトリックス・メタロプロテアーゼ(MMP)産生の評価、および相関性を検討を現在行った。現時点、MMP-2と-9に関してAG73ペプチドの添加によるHCTcellsからの産生は増加させておらず、表皮細胞との相関性は認めていない。今後、角膜上皮のprimary cellsを用いるか、他のMMP産生を評価する予定である。 2.ラミニンー5生理活性部位の情報伝達機構の解明:細胞遊走とMMP誘導に関わるシグナル因子としてMAPキナーゼをターゲットとした角膜上皮再生に関わる細胞内シグナル伝達の解析を行う。MAPキナーゼのリン酸化を検出するアッセイとMAPキナーゼ特異的阻害剤による阻害実験は確立している。ラミニンα1鎖LG4ドメインのAG73ペプチドからのシグナル伝達にp38MAPキナーゼの関与を明らかにした。
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