活性ペプチド点眼がおよぼす角膜の創傷治癒促進に対する治療効果を評価 : マウスの両目に創を作り、コントロールと活性ペプチド投与を各角膜に行う。各活性ペプチド・その配列の長短による治療効果を検証した。潰瘍の作製は以下の方法で行った。全身麻酔下で眼球には局所麻酔を処置し、0.5NのNaOHを吸収させた直径2mmフィルターディスクを角膜中央に2分間静置し、アルカリ火傷を創る。活性ペプチドとコントロールペプチドを点眼し、12時間から48時間後に創部を評価した。その結果は12時間後にペプチド群で創部の閉鎖が促進された。このことから、ラミニンα1鎖・LG4ドメイン全体をカバーする合成ペプチドによる網羅的スクリーニングにより決定したAG73活性ペプチドがラットの角膜に作成した潰瘍の治癒促進に働くことを証明した。in vitroで角膜上皮細胞がp38MAPキナーゼという細胞内シグナル依存性に細胞遊走することを前年度証明した。このメカニズムの明確な活性ペプチドはEvidence Based Medicineに合致する新規治療薬・医用生体材料となるものと期待される。
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