研究課題
近い将来に想定される、地球温暖化対策や地球環境の保全・修復を目的とした遺伝子組換え樹木の植栽によって生じると想定される組換え樹木の花粉や種子の飛散による遺伝子擾乱や生態系の破壊といった事案に対する対策手法の一つとして、組換え遺伝子拡散防止技術が必要であると考えられる。本研究では、モデル樹木として遺伝子情報や実験技術等が蓄積・整備されつつあるポプラ(セイヨウハコヤナギ)を研究対象とし、樹木全般に応用可能な花成抑制技術の開発に必要不可欠と考えられる、花成抑制に関わる遺伝子の単離とその発現特性及びポプラやシロイヌナズナの組換え実験系を利用した遺伝子ごとの花成抑制効果の2つの項目について解析することを目的としている。まず、ポプラから単離した花成抑制遺伝子PnFLC1、PnFLC2、PnFLC3について、それぞれを過剰発現するシロイヌナズナ組換え体を作出したところ、一部で花成遅延を観察した。また、ポプラから単離した減数分裂に関与するPnDmc1を抑制し、さらに、早期開花になるように組換えたポプラでは、胚珠の形成が異常になった花が観察された。これらの結果については、今後、いくつか追加の試験を行い、その結果も含め、原著論文として公表していく予定である。
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BMC Genomics 9
ページ: 383