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2006 年度 実績報告書

葉緑体シグナルによる核遺伝子発現の調節機構

研究課題

研究課題/領域番号 18780247
研究機関岩手大学

研究代表者

稲葉 丈人  岩手大学, 21COE, 助教授 (00400185)

キーワード葉緑体 / プラスチドシグナル / タンパク質輸送
研究概要

葉緑体は光合成細菌が真核細胞に共生することで生まれた植物固有のオルガネラである。もともと葉緑体ゲノムが持っていた遺伝子のほとんどは進化の過程で核ゲノムに移ってしまったため、葉緑体の分化は核遺伝子の発現により支配されていると言って過言ではない。その一方で、葉緑体自身も何らかのシグナルを核に送り、核遺伝子の発現を調節していると考えられている。これまでの研究で、クロロフィル中間体などいくつかのシグナル候補因子が同定されてきた。しかし、これらの候補の多くはいわゆる「シグナルソース」であり、実際に「シグナル伝達」を担う因子は未だ不明である。
そこで本研究では、葉緑体タンパク質透過装置複合体構成因子のRNAi株及び遺伝子破壊株を利用して、葉緑体から核へのシグナル伝達因子を探索するごととした。まず、エストロゲン誘導的にTic110の発現を抑制するRNAiコンストラクトを作製し、これをシロイヌナズナに形質転換した。RNAiを誘導すると形質転換体は期待されるアルビノ表現形を示した。現在、この植物を用いてRNAiに応答して変化する遺伝子を探索している。
これと同時に、別のタンパク質透過装置複合体構成因子Toc159を欠失するppi2変異体を用いて、低温応答性遺伝子COR15Aの産物であるCor15amタンパク質の蓄積が損なわれていることを明らかにした。興味深いことに、タンパク質のみならずCOR15Aの核での発現も損なわれていたことから、低温シグナル伝達系と葉緑体シグナルのクロストークが示唆された(Nakayama et al.,in press)。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Arabidopsis Cor15am is a chloroplast stromal protein that has cryoprotective activity and forms oligomers.2007

    • 著者名/発表者名
      Nakayama, K., Okawa, K., Kakizaki, T., Honma, T., Itoh, H., Inaba, T.
    • 雑誌名

      Plant Physiology (印刷中)

  • [雑誌論文] クラークと新島襄ゆかりの街、Amherstでの研究生活-葉緑体タンパク質輸送の一端を解き明かす-2006

    • 著者名/発表者名
      稲葉丈人
    • 雑誌名

      化学の生物 44

      ページ: 491-495

  • [雑誌論文] 葉緑体包膜タンパク質2006

    • 著者名/発表者名
      稲葉丈人, 大川久美子, 中山克大
    • 雑誌名

      新版 植物の細胞を観る実験プロトコール

      ページ: 156-162

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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