研究課題
Lundurine類はインドリンにシクロプロパン環が縮合した特徴ある化学構造を有する。この共通骨格の一般的合成法は未だ確立されておらず、全合成研究の達成における最大のポイントである。特にLundurineに含まれる4っの不斉炭素のうち、3つがシクロプロパン環に集中し、そのうち2つが4級炭素であることから、従来のシクロプロパン化では構築が困難であった。したがって、この環形成が最大のポイントとなる。申請者は、ヨードを活性化剤とする立体選択的な分子内シクロプロパン化反応と分子内アリールアミノ化反応によるインドリン環形成反応を組み合わせることで、初めてインドリンシクロプロパン骨格の構築に成功した。この合成ルートには、1)合成の初期段階で共通骨格の迅速合成を行うこと、2)剛直な分子骨格ゆえに、骨格構築に分子内反応における中員環形成を有利にする、などの合成戦略が含まれる。この重要鍵中間体は、全ての立体化学が天然物と一致しており、さらに多官能基化されているために後の環構築にも適応できる。さらなる発展として、まず6員環形成を目指し4環性中間体の合成へと展開する。ラクトンの開環、側鎖の伸長で前駆体には容易に導けると予想され、種々の官能基変換によって8員環形成、ラクタム環形成を主眼に様々な類縁体合成に対応しうる柔軟性の高い合成ルートであることを立証する。また、様々な合成中間体の生物活性評価も併せて行っていく予定である。
すべて 2007
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Tetrahedron Letters 48
ページ: 1265-1268