研究概要 |
Glycyrrhiza glabra L.(日本薬局方収載カンゾウの基原の一つ)の根および根茎のEt0H抽出エキスから得られたPPARγリガンド活性画分[Diaion HP-20カラムクロマトにおけるCHCl_3-Me0H(19:1)溶出画分]について,順相および逆相シリカゲルカラム,逆相分取HPLCにより繰り返し分離精製を行うことにより,echinatinを含む計8種のchalcone誘導体,kanzonol Xを含む計11種のisoflavan誘導体,計1種のisoflavene誘導体(grabrene),計1種の3-arylcoumarin誘導体(kanzonol W),shinpterocarpinを含む計3種のプテロカルパン誘導体,計1種の2-arylbenzofuran誘導体(kanzonol U),glabrolを含む計4種のflavanone誘導体、計1種のisoflavone誘導体の計30種の化合物を単離,構造決定した.新規化合物3,4,2',4'-tetrahydroxy-2'-methoxy-5-γ,γ-dimethyl-allylchalcone,3,4',7-trihydroxy-3'-prenylflavanone等の計6種の構造は各種二次元NMRスペクトル解析により決定した。kanzonol Xを含む数種の化合物に強いPPARγリガンド活性が認められ、構造活性相関として構造中のエーテル環が開裂し、プレニル基と水酸基になることでリガンド活性が増強する傾向が認められた。
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