研究概要 |
Glycyrrhiza glabra Lの根および根茎のEtoH抽出エキスから得られたPPARγリガンド活性画分について, さらに成分検索を実施した結果, 計2種のchalcone誘導体(既知化合物morachalcone Aを含む), 1種の既知3-aylcoumarin誘導体(glabrocoumarin), 1種の既知flavone誘導体 (licoflavanone A), 2種のisoflavone誘導体(gancaonin Lを含む), および2種のchromone誘導 (8, 8-dimethy1-3, 4-dihydro-2H, 8H-pyrano[2, 3-f]-chromon-3-olを含む)を単離し, 構造決定を行った. 2', 3, 4, 4', α-Pentahydroxy-3', 5-diprenyl-dihydrochalcone, 4"-hydroxyglabridin, 8-hydroxymethyl-8-methyl-3, 4-dihydro-2H, 8H-pyrano[2, 3-f]-chromon-3-ol等の計4種の新規化合物の構造は各種二次元NMRスペクトル解析により決定した. 今回単離された化合物のPPARγリガンド活性は, これまでに明らかになっている構造活性相関, すなわちエーテル環が開裂し, プレニル基と水酸基になることによる活性が増強することを支持している. 単離された一部の化合物(glabridin, glabrene, knzonol X, shinpterocapin等)については, 生活習慣病に関連する酵素, すなわちDPP-IV(dipeptidyl peptidase-IV)およびPTP1B(protein tyrosinase phosphatase 1B)に対する阻害活性を検討した. その結果, 1μg-mLの濃度でいずれの化合物も両酵素に対して50%以上の阻害活性を示さなかった.
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