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2006 年度 実績報告書

成体脊髄の正常時および損傷後のグリア細胞新生メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 18790142
研究機関京都大学

研究代表者

北田 容章  京都大学, 医学研究科, 助手 (80324614)

キーワード解剖学 / 神経科学 / 神経幹細胞 / 細胞分化 / 脊髄損傷 / 上衣細胞 / グリア細胞 / アストロサイト
研究概要

脊髄が損傷を受けると様々な要因により軸索再生が阻まれ、結果として神経機能が失われる。その要因の一つとして反応性グリア細胞の増殖によるグリオーシスがあげられるが、この構造の由来細胞は特定されておらず、細胞の特異的標識による由来細胞の証明が必要とされている。本実験の目的は、脊髄に存在する分裂細胞である上衣細胞・オリゴデンドロサイト前駆細胞に着目し、その正常および損傷脊髄での動態を解析する事で、このグリオーシスの由来細胞を特定する事、および正常脊髄でのグリア細胞のターンオーバーを証明する事、にある。平成18年度は、1.Creリコンビナーゼ発現アデノウィルスの作成、2.Z/EGマウスヘアデノウィルスを脳室内投与により注入し、脊髄上衣細胞を特異的に標識、3.時間系列における細胞動態を観察するという実験と、4.Olig2-CreER/Z-EGマウスにタモキシフェンとBrdUを投与し、オリゴデンドロサイト前駆細胞を特異的に標識、5.時間系列における細胞動態を観察するという2つの実験系により解析を行った。前者の実験系ではアデノウィルスの脳室内投与による標識法の条件設定に予想外の時間を要したが、最終的にはGFP標識脊髄上衣細胞が脊髄実質内へ移動し、アストロサイトとして分化している様子をGFAP等のマーカーに対する免疫染色により確認された。後者の実験系においては、BrdUを取り込んだ細胞でGFPを発現する細胞が脊髄オリゴデンドロサイト前駆細胞とされるが、この細胞が時間経過後にオリゴデンドロサイトへ分化している像を確認する事が出来た。平成19年度はこの研究を更に進め、損傷部での反応や脊髄上衣細胞のNotchシグナリングの解析を行う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Evidence for motoneuron lineage-specific regulation of Olig2 in the vertebrate neural tube.2006

    • 著者名/発表者名
      Sun T, Hafler BP, Kaing S, Kitada M, Widlund HR, Yuk DI, Stiles CD, Rowitch DH
    • 雑誌名

      Dev Biol 292(1)

      ページ: 174-179

  • [雑誌論文] Transcription factor co-expression patterns indicate heterogeneity of oligodendroglial subpopulations in adult spinal cord.2006

    • 著者名/発表者名
      Kitada M, Rowitch DH
    • 雑誌名

      Glia 54(1)

      ページ: 35-46

  • [雑誌論文] Development of NG2 neural progenitor cells requires Oliggene function.2006

    • 著者名/発表者名
      Ligon KL, Kesari S, Kitada M, Sun T, Arnett HA, Alberta JA, Anderson DJ, Stiles CD, Rowitch DH
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad Sci USA 103(20)

      ページ: 7853-7858

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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