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2006 年度 実績報告書

ニコチン性レセプターによる膵島β細胞の機能調節についての基盤的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18790185
研究機関武蔵野大学

研究代表者

大谷 政博  武蔵野大学, 薬学研究所, 助手 (90342708)

キーワードニコチン / カルシウム / インスリン / 膵臓ランゲルハンス島 / β細胞
研究概要

マウス膵臓由来の培養β細胞であるβTC6細胞において、ニコチンがイオンチャネル型のニコチン性アセチルコリンレセプターのα3β4サブタイプを介して細胞膜の脱分極、細胞内カルシウムイオン濃度([Ca^<2+>]_i)の上昇そしてインスリン分泌の促進を引き起こすことを明らかにし、文献として発表した(Mol.Pharmacol.69(3),899-907)。この研究成果から、初代培養膵臓ランゲルハンス島(膵島)にもニコチン性レセプターが存在・機能している可能性があると考え、まずマウスとラットから単離した膵島におけるニコチン性レセプターのα、βサブユニットmRNAの発現の有無をRT-PCRを行って調べた。その結果、マウス膵島ではどのサブユニット遺伝子の発現も見られず、さらに、マウス膵島にニコチン及びニコチン性レセプターのいくつかのアゴニストを作用させて[Ca^<2+>]_iに変化が見られるかどうかを調べたが、全く効果は見られなかった。したがって、マウスの膵島ではニコチン性レセプターは全く存在・機能していないということが強く示唆された。一方ラットでは、RT-PCRによりα3、α5、α7の3つのレセプターサブユニットのmRNAの発現を確認できた。したがって今後は、このRT-PCRの結果の再現性とラット膵島の[Ca^<2+>]_iにおけるニコチン性レセプターアゴニストの効果の有無を調べていく予定である。
βTC6細胞におけるニコチン性レセプターのその他に機能についても検討した。ニコチン性レセプターのα3サブユニットに対するポリクローナル抗体を用いてウェスタンブロッティングを行った結果バンドが検出されたことから、βTC6細胞でニコチン性レセプターがタンパク質レベルで存在していることが明らかとなった。また、ニコチンを1-100μMで1-4日間作用させてβTC6細胞の増殖に影響が出るかどうかを調べたが、細胞数についてはほとんど変化は見られなかった。今後は、TNF-αなどのサイトカインによって引き起こされるβ細胞のアポートシスに対する作用などを調べていく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Mouse beta-TC6 insulinoma cells : high expression of functional α3β4 nicotinic receptors mediating membrane potential, intracellular calcium and insulin release.2006

    • 著者名/発表者名
      Ohtani, M., Oka, T., Badyuk, M., Xiao, Y., Kellar, KJ., Daly, JW.
    • 雑誌名

      Molecular Pharmacology 69(3)

      ページ: 899-907

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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