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2007 年度 実績報告書

血管内皮細胞分化、血管形成におけるホメオボックス転写因子Meis1の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 18790200
研究機関(財)東京都医学研究機構

研究代表者

峯畑 健一  財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 主席研究員 (50362538)

キーワード血管内皮 / ホメオボックス転写因子 / Meisl / FLk1 / ゼブラフィッシュ
研究概要

中胚葉細胞から発生する血管内皮細胞は互いに融合して原始血管叢を形成する。この過程(vasculogenesis)の後に,新たな管腔形成を伴うangiogenesisを経て,大血管や毛細血管などの大小の血管網の形成(リモデリング)が起こる。この変化に伴って,動・静脈への分化が起こり正常な血管形成が行われる。近年,分子生物学的手法や遺伝子欠損マウスを用いた実験により,血管内皮細胞の分化や血管網形成の分子メカニズムが徐々に明らかにされてきている。この過程では,血管内皮細胞成長因子(VEGF)やNotch,Shhシグナルが重要な役割を果たしている。申請者はゼブラフィッシュを用いてこの血管内皮細胞の分化・血管網形成の過程に,ホメオボックス転写因子であるMeislがいかに関わっているか,を明らかとすることを目的として,研究を進めている。
モルフォリーノによる翻訳阻害によって,Meis1遺伝子の機能をゼブラフィッシュ胚で阻害した場合,VEGFの受容体であるFlk1の発現が顕著に低下することがわかった。また,血管内皮細胞全般に発現しているFli1で血管形成を見たところ,大血管は存在していたものの,体節間を走る血管が喪失していた。また,本来動脈が位置している部位での動脈マーカーの発現がなくなっており,その代わりに静脈マーカーの異所的発現が見られた。一方で,VEGFやVEGFの上流で働くと考えられるShhの発現は変化していないことに加えて,動脈分化に重要なNotch5の発現の変化も認められなかった。また,モルフォリーノによって翻訳阻害を受けないMeis1を作成し,そのmRNAをモルフォリーノとともに投与した揚合には,喪失した体節問の血管が一部発生するなど,Meis1が血管発生と血管網形成に重要な役割を果たしていることを明らかとした。現在,このデータを用いて,論文作成を行い,投稿中である。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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