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2007 年度 実績報告書

新規NFκB相互作用分子による転写制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18790208
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

朝光 かおり  名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (20381783)

キーワードNFκB / 発現制御 / 転写
研究概要

転写因子NF-κBは,炎症やアポトーシスといった様々な生命現象に関与する重要な転写因子である。本研究では,NF-κBの活性制御についてさらに解析を進めるために,NF-κBサブユニットの一つp65をbaitにyeast two hybridスクリーニングを行い,新規相互作用分子としてAKIP 1を得,その作用機構について解析を行った。まず,p65とAKIP1と結合することを,in vitroとin vivoで証明し,さらにAKIP1を強発現させることによりNF-κBの核移行が促進されることを明らかにした。また,AKIP 1によりPKAcによるp65のSer276のリン酸化が亢進しており,この機構にはリン酸化が関与することが考えられた。また,NF-κB依存性転写を行う代表例としてHIV-1 LTRによる転写活性化についてルシフェラーゼアッセイで調べたところ,AKIP 1の過剰発現によりTNFによるHIV-LTRの転写活性が増強された。さらに,siRNAによってAKIP 1をノックダウンすることにより,LTRの転写活性は阻害され,NF-κBの転写活性化にAKIP 1が必要であることが明らかになった。以上の結果から,AKIP 1はPKAcによるp65のリン酸化を通じてNF-κB転写活性を正に制御することが示唆された。本分子はNF-κBの活性を負に制御する分子であるとも報告されているため,AKIP 1が刺激や細胞腫などの環境に応じてNF-κBの転写活性を正にも負にも作用するマスター分子である可能性があることが考えられる。今後慎重に検討を進める必要がある。
さらにNF-κBの制御機構を解析するために新規NF-κB阻害化合物の探索を行い,ホオノキに含まれるマグノロールがNF-κBの核移行を阻害し転写活性を抑えることを明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] AKIP1 enhances NF-KB-dependent gene expression by promoting the nuclear retention and phosphorylation of p652008

    • 著者名/発表者名
      Gao, N., Asamitsu, K., Hibi, Y., Ueno, T., and Okamoto, T
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem 283

      ページ: 7834-7843

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Magnolia ovovata extract and its active component magnolol prevent skin photoaging via inhibition of nuclear factor kB.2007

    • 著者名/発表者名
      Tanaka K., Hasegawa J., Asamits u K., and Okamoto T
    • 雑誌名

      Eur.J.Pharm 565

      ページ: 212-219

    • 査読あり
  • [学会発表] AKIP1 Enhances NF-KB Activation by Promoting the Nuclear Retention and Phosphorylation of p652007

    • 著者名/発表者名
      Nan Gao, Kaori Asamitsu, Yurina Hibi, Takashi Okamoto
    • 学会等名
      第30回日本分子生物学会年会 第80回日本生化学大会合同大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      20071211-15
  • [学会発表] 炭素環ヌクレオシド化合物とセスキテルペン類による抗NF-κB活性の作用機序の解析2007

    • 著者名/発表者名
      朝光 かおり、田中 清隆、石橋 貴弘、中田 賢治、岡本 尚
    • 学会等名
      第28回日本炎症・再生医学会
    • 発表場所
      京王プラザホテル(東京)
    • 年月日
      20070802-03

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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