研究課題
オートファジーは、ダイナミックな膜形成(オートファゴソーム形成)を伴う真核生物に保存された蛋白質分解システムである。酵母などの下等単細胞生物においては、オートファジーは飢餓に応答した生存戦略が唯一の働きと考えられてきた。申請者らは、様々な臓器特異的オートファジー不能マウスを作製してきた。 今年度は、脳特異的オートファジー欠損マウスを作製し、そのマウスは反射異常、協調運動障害などの神経変性疾患様症状を示し、その神経細胞内には加齢と共に。ビキチン陽性封入体が蓄積すること、大脳皮質、海馬、小脳順位層において神経細胞死が起こることを見いだした。これらのことは、オートファジーは栄養状態が十分に供給された状況にあっても恒常的に活動し蛋白質の代謝回転を担うこと、その破綻は神経変性疾患を引き起こすことを示している。酵母2ハイブリッド法及び超高感度プロテオミクス法により、新規モディファイヤー分子Ufm1、Ufm1活性化酵素Uba5、Ufm1結合酵素Ufc1を同定した。すなわち、新たな。ビキチン様修飾システムUfm1システムを発見した。このシステムに関わる分子は酵母には存在せず、植物や後生動物以降に発生してきたことから、多細胞生物において重要な役割を担うと考えられる。また、超高感度プロテオミクス法によりUfm1の基質タンパク質を同定した。この分子は多細胞生物に保存された機能未知のタンパク質であるが、Ufm1修飾により機能制御されている可能性が高い。現在、詳細を解折中である。さらに、ソウル大学のChung博土らとの共同研究により、やはり植物や後生動物以降に発生してきたUfm1特異的な脱酵素UfSP1及びUfSP2を同定し解析した。
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