研究概要 |
Vps35結合タンパク質の同定について、タグ配列を挿入したVps35を赤痢アメーバに発現させ、抗タグ抗体で免疫沈降し、共沈するタンパク質を検索した。免疫沈降したサンプをSDS-PAGEから銀染色を行った段階で差のあるバンドとして約25kDaのバンドが検出された。そこでこのバンドを切り出し、マススペクトロメトリーにかけたところ、Vps35と複合体を形成しているレトロマー構成分子であるVps26であり、我々の想定したレセプター分子ではなかった。よってアプローチを変更、yeast two-hybrid法による同定を目指し現在cDNAライブラリーを作成中である。 CPのリソソームへの輸送シグナルを知る為にCP1、CP2の前駆体部分直下にタグ配列を挿入した融合タンパク質を発現させ、その局在を観察した。この融合タンパク質は予想分子量(16kDa)どおり発現し、分解産物も見られなかった。さらに間接蛍光抗体法により細胞内局在を検討した結果、細胞体全体に分布する小胞に存在したがリソソームとの共局在は観察されなかった。小胞体マーカー分子はこの小胞と分布を異にすることから、小胞体内に蓄積した野ではなかった。トリパノソーマでは前駆体部分にリソソームへの輸送シグナルが存在することが証明されているが、赤痢アメーCP1,CP2では異なる機構が存在していることが明らかとなった。現在CP5について同様の検討を行っている。
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