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2006 年度 実績報告書

Quorum-sensing分子を利用した異属細菌間情報伝達システムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 18790314
研究機関東邦大学

研究代表者

木村 聡一郎  東邦大学, 医学部, 助手 (60408870)

キーワード細菌 / Quorum-sensing / 情報伝達 / 感染症 / ゲノム
研究概要

Quorum-sensing機構は、シグナル伝達物質(Autoinducer分子:AI分子)を介した細菌間コミュニケーションシステムである。近年、緑膿菌のAI分子のひとつであるN-3-oxododecanoyl-L-homoserine lactone(3-oxo-C12-HSL)が、同種細菌間だけでなく、グラム陽性菌や動物細胞に対して多様な作用を示すことが報告されている。既に我々は、水系環境中、特に病院環境中で問題となるグラム陰性病原細菌を中心に異属細菌間コミュニケーションの可能性を検索し、緑膿菌のAI分子の一つ(3-oxo-C12-HSL)が、既存のQuorum-sensing機構を持たないと考えられているレジオネラ属細菌(細菌性市中肺炎の原因菌として常に上位に位置する細菌)に対して、生育抑制効果があることを見出している。そこで本研究では、緑膿菌-レジオネラ属細菌間コミュニケーションを中心に以下の検討を行った。レジオネラ属細菌培地中に、緑膿菌AI合成遺伝子欠損株の培養上清を添加したところ、レジオネラ属細菌に対する濃度依存的な生育抑制効果が確認された。さらに、緑膿菌AI分子によるレジオネラ属細菌のいくつかの病原性因子およびバイオフィルム産生の抑制効果も観察された。以上の結果から、緑膿菌の産生するAI(3-oxo-C12-HSL)が異属細菌であるレジオネラ属細菌に対して静菌作用および病原因子抑制効果を持つことが分かった。自然環境中における緑膿菌-レジオネラ属細菌間コミュニケーションを調べるために、試験管内およびアメーバ内での共培養系を構築した。今後これらの系を用いて、詳細な細菌間コミュニケーションについて解析予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 図書 (1件)

  • [図書] Legionella : state of the art 30 years after its redognition2006

    • 著者名/発表者名
      K.Tateda, S.Kimura, E.T.Fuse, K.Yamaguchi
    • 総ページ数
      565
    • 出版者
      ASM press

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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