本研究はLegionella pneumophilaの接着因子LaiAおよびそのパラログ分子の、宿主への感染における役割と、L.pneumophila感染によって活性化された宿主細胞側の自然免疫応答機構の両面について進めてきた。まずLaiAおよびそのパラログ分子はL.pneumophilaの膜タンパクで、宿主細胞への接着や侵入に関与しているが、本菌の細胞内増殖には関与していないことを明らかにした。次ぎに宿主細胞側の自然免疫応答については、肺胞上皮細胞はL.pneumophila生菌の感染により細胞内シングナル伝達が活性化され、IL-6、IL-8、TNF-α、MCP-1などのサイトカインの発現・分泌が見られた。また、このシングナル伝達にはNOD1(Nucleotide-binding oligomerization domain containing 1)およびNOD2宿主細胞内分子が関与することを明らかにした。しかし、これらのシングナル伝達はLaiAおよびそのパラログ分子によっては活性化されなかった。
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