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2007 年度 実績報告書

腸管M細胞特異的に発現する遺伝子群の分子機能及び個体レベルにおける高次機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18790343
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

長谷 耕二  理化学研究所, 免疫系構築研究チーム, 研究員 (20359714)

キーワードM細胞 / ケモカイン / CCL20 / CCR6 / B細胞 / 上皮-リンパ間相互作用
研究概要

本研究ではM細胞の分化誘導に重要なエフェクター細胞の同定を試みた。過去のリンパ球欠損マウスなどの観察から、M細胞の分化・維持にはパイエル板上皮とリンパ濾胞間のクロストークが必要であることが予想される。これには両者の情報を仲介するエフェクター分子が必要と考えられるが、申請者はパイエル板上皮より分泌される特殊なケモカインがその役割の一端を担っていると予想し、ケモカイン発現プロファイルの解析を行った。その結果、CCL9,CCL20及びCXCL16がパイエル板上皮特異的に発現することを見出した。これらケモカイン又はケモカイン受容体を欠損するマウスのパイエル板を観察したところ、興味深いことにCCL20受容体(CCR6)欠損マウスにおいてM細胞数の著しい減少が認められた。パイエル板上皮細胞はCCL9及びCCL20を恒常的に発現しており、パイエル板微小構造の維持に重要な役割を果たしている。我々は、これらのケモカインを介した特定の免疫細胞と上皮層の相互作用がM細胞の分化誘導に重要と考え、CCL9又はCCR6(CCL20受容体)欠損マウスのパイエル板を観察した。その結果、CCR6欠損マウスにおいてのみM細胞の著しい減少が認められた。そこでCCR6欠損および野生型マウスのパイエル板リンパ球を比較解析した結果、CDllcを発現する特殊なB細胞(CDllc+B細胞)がパイエル板に存在し、この細胞群がCCR6欠損マウスにおいて顕著に減少していることを明らかにした。種々の検討結果より、CDllc^+B細胞はM細胞の分化誘導に重要な役割を果たすことが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Psg18 is specifically expressed in follicle-associated epithelium.2007

    • 著者名/発表者名
      Kawano K., Ebisawa M. and Hase K., et. al.
    • 雑誌名

      Cell Struct. Funct. 32

      ページ: 115-126

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Splenic CD19-CD35+B220+ cells function as an inducer of follicular dendritic cell network formation.2007

    • 著者名/発表者名
      Murakami T., Chen X., Hase K., et. al.
    • 雑誌名

      Blood 110

      ページ: 1215-1224

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Construction of an open-access database that integrates cross-reference information from the transcriptome and proteome of immune cells.2007

    • 著者名/発表者名
      Hijikata A., et. al.
    • 雑誌名

      Bioinformatics 23

      ページ: 2934-2941

    • 査読あり
  • [学会発表] M-Sec regulates tunneling nanotubule (TNT) formation in intestinal Mcells.2007

    • 著者名/発表者名
      Hase K.
    • 学会等名
      第37回日本免疫学会・国際シンポジウム
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2007-11-20
  • [学会発表] M-Sec regulates tunneling nanotubule (TNT) formation in intestinal Mcells.2007

    • 著者名/発表者名
      Hase K.
    • 学会等名
      The 7th Awaji International Forum on Infection and Immunity
    • 発表場所
      淡路島・兵庫
    • 年月日
      2007-09-04

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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