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2008 年度 実績報告書

T細胞活性化におけるTCRミクロクラスター形成とラフト動態の時空間制御の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18790344
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

多根 彰子 (橋本 彰子)  独立行政法人理化学研究所, 免疫シグナル研究グループ, 研究員 (10415226)

キーワードT細胞 / 免疫シナプス / ラフト / FRET
研究概要

T細胞と抗原提示細胞の接着面に観察されるT細胞受容体(TCR)の集積は免疫シナプスと呼ばれ、T細胞活性化に重要な構造である。近年、顕微鏡技術が免疫シナプス研究に駆使されより詳細な解析が進み、免疫シナプスが形成される数分前に接着面一面に形成されるTCRのミクロクラスターから活性化が始まっている事が明らかにされた。本研究はTCRミクロクラスター形成におけるラフトの役割の解明を目的とした。ラフト研究は、免疫シナプスヘのラフトの集積がシグナルの足場を作るとした従来の説に対してラフトは集積しないとするデータも出されるなど意見が分かれているが、本研究でシグナルの開始点であるTCRミクロクラスターにおけるラフトの役割を解明し議論に決着をつけたい。
昨年までに、TCRミクロクラスターにラフトが集まる様子は見られない事、免疫シナプス周辺でのラフトの動きはTCRと一致せずラフトの集積はTCRよりも遅れる事から、ラフトがクラスター形成に不必要である事を示した。今年度はFRETを用いて更に微小な環境でのラフトとTCRやLAT(ラフト局在、活性化に必須なアダプター分子)との相互作用を観察した所、TCRミクロクラスターでラフトとTCR、LATのFRET効率は下がる、つまりシグナル分子のクラスターでラフトはむしろ排除されている事が明らかになった。最後にラフトのポジティブな役割を求めラフト局在分子であるLAT様々な変異体について調べた所、ラフトに局在できないと細胞膜に出られないのでT細胞活性化を止めてしまうが、ラフトに局在しなくても細胞膜に配置できればクラスターを作り活性化を促す事ができた。以上のデータから、ラフトはクラスターの形成、維持に必要ないがラフト局在分子を細胞膜に配置する為に必要である事を証明し、論文にまとめた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Spatiotemporal regulation of T cell codtimulation by TCR-CD28 microclusters and protein kinase C θ translocation.2008

    • 著者名/発表者名
      Yokosuka, T.
    • 雑誌名

      Immunity 29

      ページ: 589-601

    • 査読あり
  • [学会発表] Quantitative analysis of TCR microclusters in CD3ζGFP knock-in T cells2008

    • 著者名/発表者名
      多根彰子、横須賀忠、斉藤隆
    • 学会等名
      第38回日本免疫学会総会・学術集会
    • 発表場所
      京都国際会議場
    • 年月日
      2008-12-03
  • [学会発表] Identification of a region in immunological synapse critical for T cell co-stimulation2008

    • 著者名/発表者名
      Yokosuka, T.
    • 学会等名
      第38回日本免疫学会総会・学術集会
    • 発表場所
      京都国際会議場
    • 年月日
      2008-12-03

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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