2006年度は、経営管理力・競争力を有する病院の病院像を検討するために、大きく2つのことを実施した。まず1つが、経営管理力・競争力を有する病院の病院像を検討する際考慮する必要がある要素について情報収集することである。具体的には、文献レビュー(医療業界、あるいは他業界でのこれまでの研究成果等)と、実際に医療経営に携わっている人達へのインタビューを実施した。これらにより財務面のみに着目して検討・評価するのではなく、「組織風土・文化」面や「供給・需要の状況」面等の要素も加えて総合的に検討・評価する必要が、また実際それらが大きな要素となっていることが確認された。 そしてもう1つが、この情報収集によって検討・評価対象となった要素に関する実際のデータを収集することである。具体的に収集を行ったデータとしては、財務面のデータである財務諸表データ、組織風土や文化面のデータである病院職員の組織文化に関するデータ(質問紙による収集)、その施設の供給面のデータであるベッド数や職員数等のデータ、またその地域の供給・需要面のデータであるその地域の特性データ(医療施設の状況、医療消費量(医療費)、人口規模・構成)である。その他、その病院を実際に利用している患者の患者満足度のデータ収集(質問紙による収集)も実施した。 2007年度はこれらのデータを用いて、要素間の関連を分析する等、経営管理力・競争力を有する病院の病院像について検討を実施する予定である。
|