研究概要 |
がんの分子標的併用予防法の開発のために、DR5発現誘導食品成分の探索を行った。白菜やピーマンなどに含まれるフラボノイドであるアピゲニンがDR5の発現を誘導することを見いだした。アピゲニンはDR5タンパクを安定化させる働きがあることが判明した。TRAILとアピゲニンを併用させることで、T-cell白血病Jurkat細胞に強力に細胞死(アポトーシス)を誘導することができた(Horinaka M. et al., Mol. Cancer Ther.2006)。牡蠣やホヤに含まれるカロテノイドhalocynthiaxanthinが大腸癌細胞において、DR5の発現をmRNAおよびタンパクレベルで誘導することを見いだした。HalocynthiaxanthinとTRAILの併用は大腸癌細胞に強力なアポトーシスを誘導させた。またシジミ貝などに含まれるカロテノイドperidininも同様の効果を有することを明らかにした(Yoshida T. et al., Mol. Cancer Res. In press)。プロッコリーに含まれるイソチオシアネート類のsulforaphaneがDR5発現を誘導することを見いだした。骨肉腫細胞においてsulforaphaneとTRAILを併用させることによって強力なアポトーシスを引き起こすことができた(Matsui TA. et al., Carcinogenesis2006)。TRAIL発現誘導食品成分の探索も行い、2つの食品成分を見いだした。今後、TRAIL発現誘導食品成分とDR5発現誘導食品成分の併用を試みる。
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