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2007 年度 実績報告書

セレン化合物による乳がん細胞増殖抑制メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18790385
研究機関摂南大学

研究代表者

奥野 智史  摂南大学, 薬学部, 助教 (30288972)

キーワードセレン / 乳癌 / 予防 / エストロゲン / エストロゲン受容体 / 活性酸素 / セレン含有酸素 / 細胞周期
研究概要

ヒト乳癌由来T47D細胞内の活性酸素種(ROS)産生量は、17β-エストラジオール曝露12〜24時間に増加しており、この増加は亜セレン酸ナトリウム、セレノメチオニンおよびメチルセレニン酸によって抑制される傾向が認められた。メチルセレニン酸による抑制作用がとくに顕著だった。また、亜セレン酸、セレノメチオニンおよびメチルセレニン酸を曝露したT47D細胞ではセレン含有酵素であるチオレドキシンレダクターゼの発現増加やその活性上昇が認められた。さらに、チオレドキシンレダクターゼの基質であるチオレドキシンの発現量が17β-エストラジオール曝露によって増加することが判明した。これらのことから、17β-エストラジオールとセレン化合物を同時に曝露した細胞では、チオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼ系が酸化的ストレス防御系として機能的に働き、細胞内のROS産生量を減少させることが考えられた。なお、グルタチオン/グルタチオンペルオキシダーゼ系の寄与は低いことが示唆された。ROSはエストロゲン受容体(ERα)の遺伝子のプロモーター部位に存在するMethyl-CpG binding domeinを酸化し、その結果、転写抑制遺伝子であるMethyl-CpG binding protein 2の結合を阻害することによってERα発現を促進するといわれている。そのため、これらセレン化合物曝露によって減少した細胞内ROS産生量がERαの発現を抑制したことが示唆された。既に、T47D細胞におけるERα発現抑制が細胞周期亢進に関わるestrogen receptor finger protein (Efp)発現を抑制することが判明しているが、曝露4日後の細胞を用いたフローサイトメトリーの条件下ではT47D細胞のG2/M期移行が抑制されていることを確認することはできなかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] セレン化合物によるヒト乳癌由来T47D細胞増殖抑制メカニズム2007

    • 著者名/発表者名
      奥野智史
    • 学会等名
      日本微量元素学会
    • 発表場所
      福井(福井県国際交流会館)
    • 年月日
      2007-07-06

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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