●西ジャワ農村部の4集落、及び都市部の1集落において、小学校高学年の学童250名とその兄弟、父母を対象とした身体計測を実施するとともに、社会経済的背景、食物摂取頻度についての聞き取り調査を実施した。農村部の4集落は、都市部からの地理的距離と生業が異なる集落を選択した。身体計測値について、都市部と農村部で比較したところ、都市部が有意に良好であった。しかし、農村部の4集落間においても有意差はみられ、その差は都市部との差と同様に大きいものであった。既存の研究では、都市部と農村部の差に焦点があてられていたが、農村部内部においても地域差が見られたことは興味深く、今後、地域差の原因・意義などについて、収集したデータを元に検討する。さらに、親子間の相関性と食事摂取との関連についても検討する。 ●農村部4集落の中から1集落を選択し、小学校高学年の学童を含む18世帯を対象として、直接秤量法による食事調査と活動調査を、各世帯1週間ずつ実施した。ほとんどの対象者において、1週間の食事調査中に摂取されていた動物性食品は卵のみであり、タンパク質やビタミンA、カルシウムなどの摂取が不足していた。一方で活動強度は高く、活動と低栄養摂取の両方の負荷によって、成長が遅滞していることが想定される。 ●次年度は、さらに都市部の対象者を増やし、同様のデータを収集、地域差を比較するとともに、地域差をもたらす要因についても検討を続ける。
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