本研究の目的は、第一に、障害者自立支援法下における在宅障害児の母親の育児負担感に対するサービス利用の影響について明らかにし、これまでにない急激な政策転換の下に置かれている障害児の母親の育児負担感を中心とした変化の実態について把握することである。さらに、目的の第二としては、在宅高齢者の家族介護者の各負担感の影響要因および支援のあり方を比較することにより、その相違点を明らかにし、今後の在宅障害児の母親に対する支援のあり方について検討することである。 本研究の昨年度の研究成果としては、在宅障害児の母親の育児負担感に対するサービス利用の影響の調査のために、調査フィールドの調整および質問紙調査票の作成を実施した。 まず、質問紙調査票については、障害児の母親の育児負担感に関する先行研究のレビューや予備調査の結果、障害者自立支援法施行によるサービス利用の影響について、調査実施施設の職員ヘインタビューを実施した結果などに基づいて、調査内容について検討を重ね、最終版の完成に向けて作業を進めてきた。 また、質問紙調査票の配布にあたっては、多施設(4施設)の協力を得ることができ、各施設での調査実施にあたって、倫理審査委員会への申請などを行った。また、それぞれの施設特性や地域性も異なるため、それぞれに応じた調査方法および調査時期について検討を行ってきた。 次年度はこれらの成果に基づいて、実際に調査施設において質問紙調査を実施し、分析および論文化の作業を進めていく予定である。
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