日本国内にある3市町(福島県西会津町、香川県さぬき市、沖縄県宮古島市)において、平成11年に申請者が属する研究グループにおいて実施された調査を受診した成人女性1588人のうち平成14年度フォローアップ調査を受診している1173人を対象に、平成18年5月から平成18年8月に調査を予定通り実施した。 腰椎及び大腿骨頸部の骨密度測定(Hologic社製QDR4500A)。超音波による踵骨骨量測定(Hologic社製SAHARA)。身長、体重測定、握力測定、問診による骨代謝に影響する既往歴や薬剤の服用歴の聴取、運動歴、乳製品の摂取等の食習慣や運動習慣などを一定の様式により保健師が聴取、食品摂取頻度調査票によるカルシウム摂取量調査を行った。 今回の調査を受診した者は1040人で、前回調査からのフォローアップ率は88.7%であった。過去の調査同様、骨密度は宮古島市がもっとも高く、西会津町が中位、さぬき市がもっとも低かったが、その差は縮小していた。日本骨代謝学会の診断基準を用いて、骨粗しょう症と判定された人は全体で18.8%、宮古島市13.7%、さぬき市22.4%、西会津町15.5%で、第3回調査と比べると、いずれも低下していた。70歳代では骨粗しょう症は42.7%で、宮古島市が40.5%さぬき市が45.7%、西会津町では41.7%であった。これは第3回調査と比べるといずれも低下していた。継続して本調査を受診している者については良い方向に向かっていた。 受診した個人ごとに骨量測定結果と、生活習慣、カルシウム摂取量を評価した報告書を作成し、12月末までに受診した対象者に発送した。現在、腰椎、大腿骨近位部、踵骨の骨密度の変化の様相、体格、ライフスタイルと骨密度の関連などを解析中。19年度は骨折リスクの評価を含めたより詳しい分析を行う予定である。
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