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2006 年度 実績報告書

圧迫特異的反応遺伝子を活用した頸部圧迫の法医病理学的診断法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 18790424
研究機関長崎大学

研究代表者

池松 和哉  長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (80332857)

キーワードSAGE法 / 窒息 / 頚部圧迫 / マウス / 皮膚 / IEGs
研究概要

我々は、現在までにDifferential Display法を用いることによって機械的な頚部圧迫時に圧迫部皮膚において特異的な遺伝子発現が生じていることを確認している。さらに、その遺伝子発現は、死後30分経過することによって、より多様化することを明らかにした。つまり、圧迫部皮膚における遺伝子発現でも超生反応が生じていることが示唆され、圧迫による窒息死の後にも遺伝子発現に関して経時的な検討が必要であることが考えられる。そこで、今回、細胞が刺激を受けてから極早期に新たな蛋白合成を伴わずに発現が認められ、他の遺伝子の転写誘導を行う遺伝子群であるImmediate Early Genes(IEGs)の窒息時および窒息彼の超生反応期の窒息マウス頚部皮膚におけるIEGsの発現動態を定量的PCR法を用いて検討した。具体的には、麻酔下マウスに30minのHanging処置を施した後に窒息死させ、死亡直後(H-0群)、死亡30分後(H-30群)、死亡60分後(H-60群)の頚部の圧迫部皮膚を採取した。また、Decapitation処置を行ったマウスから同様の方法にて、死亡直後(C-0群)、死亡30分後(C-30群)、死亡60分後(C-60群)の頚部皮膚を採取・保存し、Controlとして用いた。その結果、IEGsであるC-fos、Fos-Bの発現量においてHanging群はControl群に比し、顕著な差が認められた。特に、H-30群では著しく増加し、その後H-60群では減少していることから、Hanging群において、死後30分以降には、IEGs以降のカスケード反応が生じ、Hanging特異的な、つまり、圧迫特異的な遺伝子発現が超生反応期に生じていることが強く示唆された。Serial Analysis of Gene Expression(SAGE)法は、遺伝子の転写発現状態を多面的にかつ詳細に検討・解析できる唯一の方法である。現在、Podhajskaらが報告したLong-SAGE法を用いた実験を進めており、H-0群とC-0群のSAGE Libraryを作成した。今後、残り4群のLibraryを作成し、各群における発現データを数値化後、圧迫特異的な遺伝子を同定し、新しい頚部圧迫の法医病理診断法を確立したいと考えている。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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