研究概要 |
消化器癌における臓器特異的なHedgehog分子の発現メカニズムおよび癌の発育進展に与える影響、既知の癌遺伝子及び増殖シグナルのHedgehogシグナルへの影響 我々はこれまでに数種の胃癌細胞株、および大腸癌細胞株を用いてHedgehogリガンド依存性のシグナル活性が癌発育進展に極めて重要なMAPキナーゼシグナル伝達系によって一部制御されている可能性を示す知見を得ることができた。このMAPキナーゼシグナルはMEK1遺伝子の活性を通して癌遺伝子の一つであると考えられて.いるGLI1転写因子の転写活性を調節していると考えられ、さらにこれらの制御機構が胃癌臨床検体を用いた解析からも一定の成果を得ることができたので、国内及び国際学会においてこれらの成果を報告した。 (1)4th International Society of Gastroenterological Carcinogenesis Conference(2006.8 Hawaii) Regulation of the Hedgehog Signaling Pathway by Epidermal Growth Factor in Gastric Cancer Seto M, Ohta M, Omata M et.al. (2)DDW-Japan 2006(2006年10月札幌) 胃癌・大腸癌におけるMAPKシグナルによるHedgehogシグナル調節機構の解析 瀬戸元子、大田幹、小俣政男他 消化器癌におけるHedgehogシグナル関連分子の遺伝子異常、染色体異常の有無 大腸癌、膵臓癌細胞株、及び臨床検体のゲノムDNAを用いた解析でHedgehogリガンド依存性のシグナルを伝える膜タンパクの一つで癌遺伝子の一つとも考えられているSmoothened遺伝子のシークエンス解析を行いその変異を英著論文として公表した。
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