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2007 年度 実績報告書

HCV複製増殖に関わる分子シャペロン・サイクロフィリンの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 18790446
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

中川 美奈  東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 寄附講座教員 (30401342)

キーワードサイクロスポリンA(CsA) / C型肝炎ウイルス(HCV) / サイクロフィリン / Two Hybrid法 / 蛋白相互作用
研究概要

免疫抑制剤であるサイクロスポリンA (CsA)は濃度依存性にC型肝炎ウイルス(HCV)レプリコン増殖を抑制し、その50%抑制濃度は臨床血中濃度域である0.5μg/mlであるが、CsAではインターフェロンでみられるような細胞内ISRE活性の上昇は認められず、そのHCV増殖抑制効果はインターフェロンとは独立した作用機構を介すると考えられた。CsAの細胞内受容体であるサイクロフィリンはこれまでもHIV Gag蛋白と結合し、その感染、増殖との関連性が報告されており、HCVの複製増殖にどれほど関与しているかを確認することは重要であり以下検討をすすめた。細胞質、及び小胞体(ER)に局在するサイクロフィリンA、B及びCに対するsiRNA発現ベクターによりノックダウン細胞を作成し、レプリコンの増殖効果を解析したところ、それぞれのサイクロフィリンの発現抑制によりレプリコン増殖は有意な抑制効果を認め、これらのサイクロフィリンがHCV増殖に関与していると考えられた。免疫抑制能の弱いサイクロスポリンDも同様のHCVレプリコン増殖抑制効果がみられ、サイクロスポリンの抗ウイルス効果はサイクロフィリンの活性阻害を介することが確認された。Two hybrid法では、HCV蛋白とサイクロフィリンA, BおよびCの直接会合は認めなかったため、ヒト肝臓cDNAライブラリーを用いて宿主蛋白の網羅的スクリーニングを行ったところ、サイクロフィリンと会合する蛋白がいくつか同定された。今回同定された蛋白のsiRNAによる発現抑制ではウイルス増殖は80%程度の抑制にとどまった。HCV蛋白とサイクロフィリンの直接相互作用は認められず、第3の分子の関与が推定されたが、サイクロフィリンと相互作用する宿主蛋白を同定することは、新たな抗ウイルス分子標的の同定・新規治療開発につながると考えられ現在研究を遂行中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Development of plaque assays for hepatitis C virus and isolation of mutants with enhanced cytopathogenicity and replication capacity.2008

    • 著者名/発表者名
      Yuko Sekine-Osajima, Naoya Sakamoto, Mina Nakagawa
    • 雑誌名

      Virology 371

      ページ: 71-85

    • 査読あり
  • [雑誌論文] HCV nonstructural proteins responsible for suppression of RIG-I/Cardif -induced interferon response2007

    • 著者名/発表者名
      Tasaka M, Sakamoto N, Itakura Y. Nakagawa M
    • 雑誌名

      J Gen Virol 88

      ページ: 3323-33

    • 査読あり
  • [学会発表] 高齢者C型慢性肝炎に対するインターフェロン療法の安全性と有効性2007

    • 著者名/発表者名
      中川 美奈
    • 学会等名
      肝臓学会総会
    • 発表場所
      東京台場(ホテルグランパシフィックメリディアン)
    • 年月日
      2007-05-31
  • [図書] 分子消化器病; 小胞体ストレスによるシグナル伝達2007

    • 著者名/発表者名
      中川 美奈
    • 総ページ数
      6頁
    • 出版者
      先端医学社

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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