研究概要 |
Huh7肝癌培養細胞株を用いて,5-FUを培養上清中に0,6.25,12.5,25,50,100μmol/Lで添加し48時間後の生細胞をMTT assayにて測定した.増殖阻止率を5-FUを添加していないコントロールと比較して計算した.5-FU濃度6.25μmol/Lでは,18%の抗腫瘍率を示し,濃度依存性に増加し,100μmol/Lでは62%であった.このため,p53発現アデノウイルスの抗腫瘍効果の測定には,12.5μmol/L,50μmol/Lに設定した. 遺伝子組み換え技術を用いてCAGプロモーター下にp53を発現するAxCA.p53を作成し,Huh7細胞に感染させ,免疫染色により,コントロールベクターと比較してp53タンパクの発現増強を確認した.またWester blottingにてタンパク発現を確認した. p53を有さないAxCA.nullをコントロールとして,MOI3,10,30でこれらのアデノウイルス感染させた後,培養上清中に5-FUを添加し,48時間後の増殖阻止率を検討中である.MOI3では,有意差はなく,MOI10を検討中である. CMVプロモーター下にマウスIL-12を発現する組換え型アデノウイルスAd.mIL-12を作製した.マウスIL-12の発現は,マウス樹状細胞にAd.mIL-12を感染させ10^5細胞あたりの発現を培養上清中のIL-12p70濃度をELISA法にて測定した.MOI3〜30で検討した結果MOI依存性の産生を確認した. Huh7細胞にAd.mIL-12を感染させ,マウスIL-12の発現を検討中である. 次年度は,5-FUに引き続き,シスプラチンの効果の測定を同測定系で行い,IL-12の作用を検討する予定である.
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