目的:本研究の目的はEnzyme linked-immunospot(ELISPOT)法を用いることによってC型肝炎ウイルス(HCV)抗体産生B細胞数を定量し、C型慢性肝疾患の患者における液性免疫の解析を行うことである。方法:48名のC型慢性肝炎患者と11名の血液ドナーから末梢血単核球(PBMC)を採取した。Core、E2、NS3、NS5b領域のタンパクを抗原として用いた。MAIPS4510プレートに10μg/mLの抗原をそれぞれのウェルに添付してPBMCを1.25もしくは2.5×10^5cells/well入れて37℃にて44時間おく。その後、抗ヒトIgG抗体を入れ発色させ、細胞数を測定した。ELISPOT法の特異度は100%であり、ROCカーブ解析ではArea under the curveは0.71から0.94と高値であった。HCV抗体産生B細胞数は患者群でコントロール群と比較して有意に高値であった。C型慢性肝炎39名と既感染者9名間でHCV抗体産生B細胞数に差があるかどうか検討をした。C型慢性肝炎群では既感染者と比較しても有意に高値であった。抗原として非構造蛋白を用いるとC型慢性肝炎群で既感染者と比較してHCV抗体産生B細胞数は有意に高値であった。ELISPOT法は特異度も高くHCV抗体産生B細胞数を測定することは液性免疫を解析する有用な方法のひとつと考えられた。ペグインターフェロン・リバビリン併用療法患者におけるHCV抗体産生B細胞数の変化を前向きコホートにて解析予定である。
|