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2006 年度 実績報告書

TCF/β-catenin転写複合体のプロテオミクス解析による癌病態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18790467
研究機関札幌医科大学

研究代表者

井戸川 雅史  札幌医科大学, 医学部, 助手 (00404749)

キーワードbeta-catenin / TCF-4 / Ku70 / Wntシグナル / プロテオミクス / 大腸癌
研究概要

Wntシグナルは,種々の癌,とりわけ大腸癌で高頻度に異常が認められるが,この異常は最終的に,分解が阻害されたβ-cateninが細胞内に集積し,転写因子TCFと結合することで標的遺伝子の発現を促すことに収束する.このため我々は,TCF/β-catenin転写複合体をプロテオミクスの手法を用いて解析し,その複合体に含まれる蛋白質を同定することで,その転写活性の新規調節因子を同定しようと試みた.
まず,HEK293細胞にFLAG-TCF-4発現プラスミドおよびコントロールプラスミドをトランスフェクションした後,蛋白抽出を行った.次にFLAG親和性ビーズでFLAG-TCF-4を含む蛋白複合体を精製した.このサンプルをSDS-PAGEでゲル電気泳動した後,蛋白質の染色を行ったところ,コントロールには無くFLAG-TCF-4サンプルにのみ出現するバンドが幾つか認められた.
これらのバンドを切り出して質量分析を行った結果,新規の結合蛋白としてKu70を同定した.Ku70の抗体を用いてウエスタンブロットを行ったところ,バンドが予想されるサイズに検出されたため,質量分析の結果が再確認された.これまでとは逆に,FLAG-TCF-4をトランスフェクションしたHEK293細胞から抽出された蛋白を,Ku70の抗体を用いて免疫沈降を行ったところ,FLAG-TCF-4が検出されたことから,両者の結合が確認された.更に,大腸癌細胞であるHCT116を用いて内因性TCF-4の免疫沈降を行ったところKu70が検出されたことから両者の結合が大腸発癌におけるWntシグナル調節に関与している可能性があり,今後,転写活性などの機能解析を進める予定である.

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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