研究課題
Birt-Hogg-Dube(BHD)症候群は毛嚢の過誤腫、腎腫瘍、自然気胸を起こす先天性遺伝性症候群である。近年、責任遺伝子BHDgeneが17p11.2に同定され、患者の多くにはexon11に存在するpoly(C)tractの変異が検出されている。また、BHD遺伝子は一部の大腸癌の発育進展に関与している可能性が示唆されている。表面型早期大腸癌47症例を対象にBirt-Hogg-Dube(BHD)遺伝子の変異の報告のある領域(exon4、7、8、9、11、12、13、14)の変異の有無についてSSCP法で検出し、Directsequence法にて確認した。Microsatellite instability-high(MSI-H)2例のうちの1例でexon11に変異を認めたが、その他の領域では変異は認めなかった。なお、MSIに関してはBAT25、BAT26、D2Sl23、D5S346、D17S250を用いて3/5以上をMSI-Hとした。この結果から、表面型早期大腸癌におけるBHD遺伝子の変異はMSI-H症例においては関与している可能性があるものの、基本的に稀であると考えられた。さらに症例数を増やして検討することが望ましいが、表面型早期大腸癌は低頻度な上に内視鏡的切除が難しく症例の集積が困難であった。そこで、安全に一括切除するための処置具を考案した。また、BHD遺伝子はMSIのtarget遺伝子である可能性を示唆する報告がある。MSI陽性の頻度が比較的高いと報告されている大腸Largehyperplastic polypやSerrated adenomaについて各々22例ずつMSIの有無およびBHDexon11の変異について調べた。MSI-Low(上記マーカー1〜2/5)は認められるもののMSI-HおよびBHD変異を認めるものはなかった。
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