*PBCの病期、治療とT細胞のxenobiotic反応性との関連 無症候例、治療前症例、治療による改善例、治療中の進行例等の、さまざまな病期の症例の末梢血T細胞を分離、前年の研究で同定されたT細胞活性化xenobiotic結合PDC-E_2で刺激した際のT細胞増殖、サイトカイン産生動態を検討し、病態進展・治療との関連を解析した。その結果、無症候例でもT細胞増殖、サイトカイン産生を認めたが、コントロールとの有意差はみられなかった。また、治療前症例においてはコントロールに比し有意なT細胞増殖、サイトカイン産生の増強を認めた。サイトカイン産生プロファイルはTh1優位であった。一方、ウルソデオキシコール酸治療によりALP値の改善を認めた症例では、治療前に比しわずかにT細胞増殖、サイトカイン産生増強ともに軽減していたが、コントロールと比べると優位に増強していた。また、サイトカイン産生プロファイルは、治療前に比し変化を認めなかった。以上より、xenobioticによるmimicryは寛容破綻そのものに関与するというより、発症後の抗原特異的免疫応答増強に関与している可能性が示された。さらに、UDCA治療はxenobioticによる抗原特異的免疫応答増強を制御する作用はないことが明らかになった。 *アンタゴニストxenobioticによるT細胞活性化抑制 T細胞活性化能がxenobiotic非結合PDC-E2よる下回るxenobiotic結合PDC-E_2が、アンタゴニストペプチドとして機能しT細胞反応を抑制する可能性を、抑制性xenobiotic結合PDC-E_2で刺激時のT細胞増殖、サイトカイン産生動態(Th1、Th2サイトカイン産生比率)を検討すたが、抑制効果はみられなかった。 なお、患者本人が承諾の上で末梢血検体採取を施行した。
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