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2007 年度 実績報告書

酸化ストレス制御による心不全における運動能力改善を目指した新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18790487
研究機関北海道大学

研究代表者

絹川 真太郎  北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (60399871)

キーワード心不全 / 運動能力 / 酸化ストレス / ミトコンドリア / アンジオテンシンII / 小動物用トレッドミル / NAD(P)H oxidase
研究概要

マウスの冠動脈を結紮することにより心筋梗塞(MI)を作成した。MIマウスは、心筋リモデリングおよび心不全を呈した。小動物用トレッドミルを用いて、MIマウスおよび偽手術マウスの運動能力測定および呼気ガス分析を行った。MIマウスでは偽手術マウスと比較して、疲労までの仕事量が低下していた。この時、最大酸素摂取量の低下を伴っていた。同様に最大二酸化炭素産生量も低下しており、呼吸交換比は変化がなかった。
さらに、酸素電極を用いて摘出骨格筋から単離したミトコンドリアの酸素消費を観察した。MIマウスのミトコンドリアでADP依存性酸素消費速度(State3)が低下していたが、ADP非依存性酸素消費速度(State4)は変化がなかった。また、骨格筋重量は変化がなく、骨格筋組織学的検討では骨格筋細胞や間質の形態に明らかな変化を認めなかった。また、ルシジェニン化学発光法を用いて、MIマウスの下肢骨格筋でNAD(P)H oxidase由来の酸化ストレスが増加していることを確認した。
次に骨格筋酸化ストレスの役割を検討するために、低濃度のアンジオテンシン2(Ang 2)を慢性投与したモデルを作成した。このモデルでは高血圧・心肥大は認めなかった。また、骨格筋萎縮もなかった。このモデルでは骨格筋酸化ストレスが増加していることが確認された。MIモデルと同様の実験を行った。運動能力は低下し、最大酸素摂取量の低下を伴っていた。ミトコンドリア酸素消費実験ではState3は変化がなかったが、State4の増加があった。さらに、ミトコンドリア複合体活性1および3が傷害されていた。Ang 2慢性投与と同時にNAD(P)H oxidase活性の抑制剤であるアポサインを投与したところ、運動能力・酸素摂取量・ミトコンドリア機能は改善した。
これらの実験より、骨格筋酸化ストレスが運動能力に重要な役割を果たしていることが示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] JCARE-GENERAL Investigators: Characteristics and outcomes of patients with heart failure in general practices and hospitals.2007

    • 著者名/発表者名
      Tsutsui H, et. al.
    • 雑誌名

      Circ J 71

      ページ: 449-54

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Angiotensin II type 1 receptor blocker attenuates myocardial remodeling and preserved diastolic function in diabetic heart.2007

    • 著者名/発表者名
      Tsutsui H, et. al.
    • 雑誌名

      Hypertens Res 30

      ページ: 439-49

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Fatty acids increase the circulating levels of oxidative stress factors in mice with diet-induced obesity via redox changes of albumin.2007

    • 著者名/発表者名
      Yamato M, et. al.
    • 雑誌名

      FEBS J 274

      ページ: 3855-63

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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