研究概要 |
新生仔ラットより心筋細胞を単離してシャーレ上で培養し、少量のdoxorubicin(DOX,10^<-7>mol/L)を添加することにより、初代培養心筋細胞を用いたin vitro心筋萎縮モデルを作成した。上記で得られたin vitro心筋萎縮モデルにおいて、転写因子Foxo1の発現およびリン酸化の変化についてimmunoblottingにて検討したところ、DOX添加群においてFoxo1の蛋白発現量は有意な上昇を認めなかったが、Foxo1のリン酸化は有意に抑制されていた。この結果を裏付ける所見としてD0X添加によりFoxo1蛋白の核内移行が促進されていることをimmunoblottingにて確認した。また、Foxo1により転写が誘導される筋特異的ubiquitin ligaseのAtrogin-1,Muscle-specific RING Finger-1,Ubiquitin ligase E3α-IIの発現をimmunoblottingにて検討したところ、DOXを添加した心筋細胞においてこれらの蛋白の発現が有意に上昇していた。Two hybrid法によりFoxo1遺伝子をbaitとしてmouse heart muscle cDNAライブラリーをスクリーニングして結合蛋白を同定するため、mouse Foxo1遺伝子を制限酵素(XhoI)で切断し、pBTベクター(two hybrid法のbait vector)にインサートした。更にFoxo1遺伝子をbaitとしたpull-down assayを行うため、mouse Foxo1遺伝子を制限酵素(XhoI)で切断し、pGEX-6P-1ベクター(pull-down assayのbait vector)にインサートした。現在、これらのplasmidを用いてtwo hybrid法及びpull-down assayを行う準備中である。
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