研究課題
胚性幹細胞(Embryonic Stem Cell(ES細胞))からの分化誘導は、生理的状況下における発生において重要な因子が同様に関与していると考えられている。そこで我々は、過去に心臓発生に重要とされる因子を検討したが、充分な効果は得られなかった。発生学的観点から見直したところBMP antagonistであるNogginが心臓発生領域で発現し、Nogginを胚性幹細胞に作用させると高率に心筋細胞を誘導できることを見いだした(Yuasa S, et. al. Transient inhibition of BMP signaling by Noggin induces cardiomyocyte diflferentiation of mouse embryonic stem cells. Nature Biotechnology. 2005 May; 23(5):607-611.)。さらなる分化誘導効率の上昇を目的として、発生学的に重要な他の因子も検討していたところ、現在までに数種類の遺伝子(分泌因子)が心臓発生予定領域に発現し、かっ胚性幹細胞の分化誘導効率を上昇させることが判明した。現在は、一つの因子に注目して解析中である。その因子のレセプターは、心臓発生の胎生中期に非常に強く発現している。その因子を胎仔に注射すると胎仔の心筋細胞が増殖することが確認され、新規心筋細胞増殖因子であることが判明した。また、その因子を分化途中のES細胞に添加することにより、心筋細胞を増殖することが判明した。
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