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2006 年度 実績報告書

メタボリック症候群の心筋血管新生における可溶性血管内皮増殖因子受容体2の役割

研究課題

研究課題/領域番号 18790521
研究機関独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター)

研究代表者

和田 啓道  独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 展開医療研究部・先端医療技術開発研究室, 室長 (20416209)

キーワードメタボリック症候群 / 虚血性心疾患 / 血管新生
研究概要

メタボリックシンドローム(MS)が心血管合併症を惹起する機序は不明である。我々はMSにおいて可溶性血管内皮増殖因子(VEGF)受容体soluble VEGFR-2(sVEGFR-2)の血中レベルが有意に上昇していることを見出した。血中sVEGFR-2レベルはBMI、中性脂肪、空腹時血糖と正の相関を、年齢、アディポネクチンとは負の相関を示す。
血中sVEGFR-2レベルの上昇が心筋梗塞に及ぼす影響を検討するため、我々はマウスに心筋梗塞を作成した。直後から合成sVEGFR-2蛋白を持続注入して血中sVEGFR-2レベルを上昇させ、1週間後に梗塞周囲の血管密度を測定した。その結果、対照群に比較してsVEGFR-2投与群において血管密度が有意に低下した。すなわち、sVEGFR-2の血中レベル上昇が虚血心筋における内因性血管新生能を低下させることが明らかとなった。次にMS及び2型糖尿病モデルである24週齢のOLETFラットと対照群である正常耐糖能のLETOラットの血中sVEGFR-2レベルを測定したところOLETFラットで有意に上昇していた。すなわち動物モデルでもヒトと同様にMSにおいてsVEGFR-2レベルが上昇していることが判明した。臨床レベルで肥満男性におけるライフスタイル改善(食事・運動療法)のsVEGFR-2への影響を検討したところ、減量成功群でsVEGFR-2レベルは有意に低下した。すなわち減量による心血管リスク軽減にsVEGFR-2が関与している可能性が示唆された。さらにMSの危険因子であり尚かつ虚血性心疾患の危険因子である喫煙のsVEGFR-2に対する影響を検討した。喫煙男性と非喫煙男性のsVEGFR-2レベルを比較したところ、喫煙男性で有意に上昇していた。すなわち、喫煙による心血管リスクの上昇にsVEGFR-2が関与している可能性が示唆された。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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