研究課題
本研究は、マウスおよぶヒトを用いて、オステオポンチン(OPN)と気管支喘息の関係を明らかにするものである。マウス喘息モデルにおいては、OVA感作・刺激モデルにおいて、気管支肺胞洗浄液(BALF)中のOPN蛋白濃度の上昇、肺組織中におけるOPNmRNAの発現、および気道中CD11c陽性細胞におけるOPN蛋白の発現を認めた。一方、ヒト検体においても、誘発喀痰中のOPN蛋白濃度は、健常群と比較し喘息群で優位に高値を示した。以上より、気管支喘息においては、OPNの発現が元進している事が明らかとなった。更に、マウスモデルにおいて、OVA刺激前にOPN抗体(M5)を腹腔内投与したところ、BALF中の好酸球数が優位に低下した。このことより、OPNはマウス喘息モデルにおいて、好酸球性炎症の惹起に重要な分子である可能性が示唆された。今後の予定は、OPN抗体が気道過敏性に及ぼす影響、ムチン産生に及ぼす影響を検討し、またBALF中の各種サイトカイン、ケモカイン濃度の検討により、OPNが喘息の病態に及ぼすそのメカニズムについて検討をおこなう。一方で、OPN欠損マウスが入手できることとなり、OPN欠損マウスを用いた、喘息急性モデル及び、気道リモデリングにターゲットをおいた慢性モデルにおいての検討をおこない、OPNと気管支喘息との関与について、更に詳細な検討をおこなう予定である。
すべて 2007 2006
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