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2008 年度 実績報告書

メガリンの細胞内輸送を調節する分子学的機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18790559
研究機関新潟大学

研究代表者

飯野 則昭  新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特任助教 (10420308)

キーワードメガリン / non-muscle myosin heavy chain IIA / Cubilin / 細胞内輸送機構 / ARH / Angiotensin II-ATla受容体
研究概要

メガリンは腎臓近位尿細管上皮細胞の管腔側に発現するエンドサイトーシス受容体である。アルブミンや薬剤などの再吸収に重要な働きをしている。メガリンのエンドサイトーシスにはDab2やARHなどのアダプター蛋白の関与が重要であることが知られている。メガリンのエンドサイトーシス機構を解明するためにメガリンやそのアダプター蛋白に対する抗体を用いた免疫沈降法を行い、これらと分子学的複合体を形成する分子群を同定した。ラットの腎臓ライセートと抗ARH抗体を用いた免疫沈降法から、ARHはモーター蛋白の一種であるdyneinと複合体を形成していることが明らかになった。ARHはメガリンが細胞内を移動する際に終始共局在することから、メガリンの細胞内移動にもARHを介したdyneinの関与が推察される(Lehtonen S, et al. Molecular Biology of the Cell, 2008, p2949-2961)。ラット近位尿細管由来の培養細胞であるIRPTCと抗メガリン抗体を用いた免疫沈降からnon-muscle muosin heavy chain IIA(NMHC-IIA)が検出された。メガリンとNMHC-IIAの結合はDab2を介して行われることも明らかになった。NMHC-IIAの機能阻害薬であるblebbistatinを培養上清に添加すると、メガリンは細胞表面にとどまり、メガリンのリガンドを添加してもエンドサイトーシスが起こりづらくなることが明らかになった。このことからNMHC-IIAはメガリンのエンドサイトーシスのinitial stepを調節する因子である可能性が示唆された(Hosaka K, et.al. Kidney international, in press)。Angiotensin II ATla受容体を強制発現させたOK細胞にangiotensin IIを添加するとメガリンの発現が減弱することが明らかになった。メガリンの発現調節にはERKやinsulin-IRS/PI3K系のシグナリングが相互に関わっていることも明らかになった(Hosojima M, et.al. Endocrinology, 2009, p871-878)。今後、メガリンの発現調節やエンドサイトーシス機序のさらなる解明を続けたい。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Megalin and nonmuscle myosin heavy chain IIA interact with the adaptor protein Disabled-2 in proximal tubule cells.2009

    • 著者名/発表者名
      Hosaka K
    • 雑誌名

      Kidney International In press

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Regulation of megalin expression in cultured proximal tubule cells by angiotensin II type 1A receptor- and insulin-mediated signaling cross talk2009

    • 著者名/発表者名
      Hosojima M
    • 雑誌名

      Endocrinology 150

      ページ: 871-878

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The endocytic adaptor protein ARH associates with motor and centrosomal proteins and is involved in centrosome assembly and cytokinesis2008

    • 著者名/発表者名
      Lehtonen S
    • 雑誌名

      Molecular Biology of the Cell 19

      ページ: 2949-2961

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 心血管イベントとしてのCKDの病態と治療の方向性2008

    • 著者名/発表者名
      飯野則昭
    • 雑誌名

      血栓と循環 16

      ページ: 338-343

  • [雑誌論文] 次世代血液浄化療法の現状と展望2008

    • 著者名/発表者名
      飯野則昭
    • 雑誌名

      腎と透析 65

      ページ: 647-650

  • [学会発表] Angiotensin IIおよびInsulinによる近位尿細管上皮細胞機能分子群の細胞内輸送機序の解析2008

    • 著者名/発表者名
      山本佳子
    • 学会等名
      第51回日本腎臓学会学術総会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2008-05-30
  • [学会発表] Dent秒責任遺伝子(CLOCN5)G333Rミスセンス変異による糖鎖修飾異常2008

    • 著者名/発表者名
      佐藤博慶
    • 学会等名
      第51回日本腎臓学会学術総会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2008-05-30

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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