adenovirus vectorを用いてプロスタシン遺伝子を腎臓に打ち込むことにより、腎臓特異的なプロスタシン過剰発現マウスを作製したが、高塩食摂取にて高血圧の発症を認めなかった。また、Dr.Chaoらとともに作製し、ライン管理を行っているRSV3'-LTRプロモーターの制御下にプロスタシンを過剰発現させたトランスジェニックマウスについて、食塩感受性高血圧の発症が確認できなくなったため、再度12週間の高塩食負荷を行ったが、高血圧の発症をみなかった。高血圧が確認できなくなった原因を調べるため、腎臓でのプロスタシンの発現を検討したところ発現が弱いことが確認された。そのため新たにプロスタシン過剰発現モデルとしてadenovirus vectorを用いてプロスタシン遺伝子を大腿静脈から注入したラットを作製し、数が少ないながらも高塩食負荷で高血圧の発症を認め、血漿アルドステロン濃度の上昇を認めた。今後このモデルについて実験回数とラットの数を増やして食塩感受性高血圧の発症を検証予定である。また、現在、蚕に作らせたリコンビナントヒトプロスタシン蛋白を精製することに成功したため、この精製プロスタシン蛋白を用いてプロスタシン持続注入ラットを作成中であり、このモデルについても食塩感受性を検討する予定である。 PN-1過剰発現マウスについては、現在、上記プロスタシン過剰発現モデルをラットで作製しているため、PN-1トランスジェニックマウスではなく、adenovirus vectorを用いてPN-1遺伝子導入ラットを作製予定である。
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