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2006 年度 実績報告書

糖尿病例での血管石灰化病変におけるKlotho蛋白とFGF23蛋白の意義

研究課題

研究課題/領域番号 18790574
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

中谷 公彦  奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (80398445)

キーワードKlotho蛋白 / 糖尿病性腎症 / 低酸素
研究概要

糖尿病例や末期腎不全例では,動脈中膜石灰化が高度に認められるが,その原因や発症機序は未だ不明である.Klotho蛋白は,主に腎臓遠位尿細管で産生される老化調節蛋白で,Klotho遺伝子欠損マウスでは,動脈中膜の広範囲の石灰化や筋性動脈の内膜の肥厚が認められ,糖尿病や腎不全症例での血管病変と病理組織学的特徴が似ている.
我々は,糖尿病性腎症例(DMN)における腎臓でのKlotho蛋白発現について検討した.対象は当教室で腎生検を施行したDMN28例である.腎凍結標本よりmRNAを抽出し,real-time PCR法を用いてKlotho mRNA発現を定量的に解析した.また免疫組織学的手法でも腎臓でのKlotho発現について検討した.その結果,腎機能の低下とともに有意にKlotho発現が低下していた.また腎糸球体病変の増悪や細動脈病変の進行に伴い有意にKlotho発現が低下することが分かった.さらに,腎機能や年齢を適合したIgA腎症例(IgAGN)22例におけるKlotho発現について比較検討したところ,DMNではIgAGNに比し有意にKlotho発現が低下していることが明らかとなった.一方,糖尿病モデルでの腎臓は、早期段階から組織の低酸素が起こることが報告されている.そこで,低酸素がKlotho発現に及ぼす影響について検討した.C57BL/6Jマウスの腎臓より尿細管上皮細胞を初代培養し,培養開始後4日目より1%O2下で培養した.その後mRNAを抽出,をreal-time PCR法でKlotho発現を定量的に解析した.その結果,低酸素下ではKlotho発現は有意に低下した.DMNでは,早期より腎臓でのKlotho発現は低下し,それに低酸素が関与する可能性が示唆された.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Cardiac expression of placental growth factor predicts the improvement of chronic phase left ventricular function in patients with acute myocardial infarction.2006

    • 著者名/発表者名
      Iwama H
    • 雑誌名

      J Am Coll Cardiol. 47巻・8号

      ページ: 1559-1567

  • [雑誌論文] Inflammatory response to acute myocardial infarction augments neointimal hyperplasia after vascular injury in a remote artery.2006

    • 著者名/発表者名
      Takaoka M
    • 雑誌名

      Arterioscler Thromb Vasc Biol. 26巻・9号

      ページ: 2083-2089

  • [図書] 専門医を目指すケース・メソッド・アプローチ 腎疾患2007

    • 著者名/発表者名
      中谷 公彦
    • 総ページ数
      11-20
    • 出版者
      日本医事新報社

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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