研究概要 |
Poserの診断基準にてclinically definite MSと診断された50例(採血時年齢41.6±16.0歳)および健常対照22例(33.2±8.7歳)の血清を使用し、ELASA法にてvascular endothelial growth factor(VEGF),acidic fibroblast growth factor(FGF),basic FGF,platelet-derived growth factor(PDGF)-AA,-AB,-BBなどの血管関連因子を測定。病期(再発期、寛解期)、病型(OS-MS,C-MS)に分け、健常対照を含め比較統計した。 MS再発期、MS寛解期及び健常対照群における血管関連因子の検討 MS再発期においてMS寛解期と比べ、血清VEGF値が有意に高かった(320.5±316.1pg/mlvs.46.1±23.9pg/m1;p=0.0003)。また、MS再発期は健常対照と比べても有意に血清VEGF値が高値であった(320.5±316.1pg/mlvs.131.0±158.9pg/m1;ρ=0.0303)。その他の血管関連因子に関しては3群間にて有意差はみられなかった。 OS-MS, C-MS及び健常対照群における血管関連因子の検討 C-MSにおいて健常対照群と比べ、血清basicFGF値が有意に高かったが、OS-MSとの差異は明らかではなかった。その他の血管関連因子に関しては3群間にて有意差はみられなかった。 また、MSを再発期と寛解期にわけて、それぞれMSにおける脊髄MRI上のT2高信号病変の長さと血清VEGF値の相関を調べると、再発期において正の相関が示された(r=0.650,p=0.0023)。血清VEGF値はOS-MSにおいてのみ検査時年齢と正の相関を示した(r=0.714,p=0.0100)。
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